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最上川美術館/真下慶治記念館
旅の趣:4
坂道をあがると桜並木に隠れるように建つ低層建築の美術館。エントランスや中庭には大きな丸い石が置かれ、一見コンクリートづくしかと思う灰色の外壁は杉板。村山市産の木材がふんだんに使用されている。陽光が明るいガラス張りのラウンジには皮張りの椅子が置かれている。テラスには楯山石が敷き詰められ、見えるのは最上川の大淀と空・雲、木々や田畑など開放感のある光景だ。そして展示室は、ほぼ立方体で天井が高くブルーグレーの壁は自然光で明るい。ここには生涯、最上川を描き続けた真下慶治氏(故)の油絵が静かに飾られている。ラウンジは結婚式やコンサートもでき最上川を眺められる絶好のロケーションで市民に開かれ様々に活用されている。
土門拳記念館
旅の趣:3
酒田市を訪れると必ず見学するのが土門拳記念館である。水平美の白い建物と背後の飯森山との調和が印象的で、広々とした館内の空間も興味深いデザインだ。代表作『古寺巡礼』シリーズには仏像がこんなにも美しいものなのかと圧倒される。薬師寺の国宝「聖観世音菩薩」の足や横顔がクローズアップされた作品は漆黒の背景にその質感がフォーカスされ浮かび上がる。こだわり撮り続けた土門拳。ここで展示作品から土門拳の『目』を通して観る日本は、どれもこれも力強く素晴らしかった。ここは写真に向き合う姿勢や本気度を感じさせてくれる場所である。
山居倉庫
旅の趣:2
酒田市の街中を歩くと古く、丸石を並べた屋根が珍しい廻船問屋の「鎧屋」など立派な屋敷がいくつも残る。過去に「酒田大火」で市街地の中心部の大半が焼失したとは思えない。ここ酒田は北前船で京都などから物品や華やかな文化などが入ってきたという。最上川の支流に架かる木造の橋を渡ると1893年に建てられた現役の米穀倉庫群『山居倉庫』がある。観光ポスターや映画のロケ地としても定番の場所。建物の構造は庄内の気候に合わせた機能性があり、建物裏の黒塗りの板壁にはケヤキ並木の揺れる木漏れ日が美しい。私は時折ここを訪れて写真を撮るが、毎回様々な光景を魅せてくれる。最後は酒田の食材やお土産を選んで帰路に就く。
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